1.インドネシアの対外債務4,534億ドル GDP比30.6%
2026年8月18日
インドネシア中央銀行(BI)は、2026年第2四半期末の
対外債務残高が4,534億ドルとなり、前年同期比4.4%増加したと発表しました。
政府の対外債務は2,163億ドルで前年同期比2.9%増。一方、民間部門は1,946億ドルで0.6%減少しました。
対外債務のGDP比は**30.6%**で、全体の82.1%を長期債務が占めています。BIは現在の債務構造について、長期債務が中心であり管理可能な水準との見方を示しています。
ソース: Bank Indonesia(2026年8月18日)
2.インドネシア中銀、政策金利5.75%を据え置き ルピア安定を優先
2026年8月19日
インドネシア中央銀行(BI)は8月18〜19日の金融政策決定会合で、政策金利を
5.75%に据え置くことを決定しました。預金ファシリティ金利は4.75%、貸出ファシリティ金利は6.50%で維持されています。
中東情勢などによる世界的な市場変動を背景に、BIは引き続き
ルピア相場の安定とインフレ抑制を優先しています。
一方で、外国直接投資(FDI)や海外借入を対象とした為替ヘッジ支援を拡大するなど、海外資金の流入促進策も強化。金融引き締めだけではなく、銀行融資や経済成長を支援する政策との両立を図っています。
ソース: Bank Indonesia(2026年8月19日)
3.黒海の穀物輸送混乱、インドネシアの小麦調達に影響
2026年8月20日
ロシアとウクライナによる港湾・船舶への攻撃が相次ぎ、黒海経由の穀物輸送に大きな混乱が発生しています。世界第2位の小麦輸入国である
インドネシアも影響を受ける可能性が出ています。
インドネシアは7〜9月到着分として、旧ソ連圏の供給国から約
60万トンの小麦を契約していますが、一部船舶の積み込み遅延などが懸念されています。
国内には当面の需要を満たす在庫があるものの、業界はオーストラリア、アルゼンチン、ブルガリア、ルーマニアなどからの代替調達を検討。代替小麦は黒海産より高価なため、長期化すれば食品価格への影響にも注意が必要です。
ソース: Reuters(2026年8月20日)
4.経常赤字がGDP比3.3%に急拡大 石油輸入増加が重荷
2026年8月21日
インドネシア中央銀行は、2026年第2四半期の
経常収支が125億ドルの赤字となったと発表しました。GDP比では**3.3%**に達し、第1四半期の36億ドル、GDP比1.0%から大幅に赤字が拡大しました。
背景には世界的な原油価格上昇による石油・ガス貿易赤字の拡大と、国内経済活動に伴う輸入増加があります。
一方、直接投資や証券投資などの資本・金融収支は
120億ドルの黒字を確保。この結果、国際収支全体の赤字は第1四半期の91億ドルから9億ドルまで縮小しました。
経常赤字が高水準で続けば、ルピアが海外からの資金流入に依存しやすくなるため、投資家にとって重要な指標となります。
ソース: Bank Indonesia(2026年8月21日)
5.インドネシアと中国、防衛・鉱物・エネルギー協力を強化
2026年8月21日
インドネシアと中国は、防衛をはじめ、
鉱物資源、エネルギー、AI、グリーンエネルギー、衛星、鉄道など幅広い分野で協力を強化することで合意しました。
中国の王毅外相と董軍国防相がジャカルタを訪問し、インドネシア側の外相・国防相と協議。防衛分野では共同訓練や士官交流を拡大するほか、
弾薬・ミサイル・ロケットなどを生産する共同工場についても協議され、2027年の稼働が想定されています。
中国はインドネシアのニッケル精錬産業最大の投資国の一つで、2026年上半期だけでも中国からの直接投資は
39億ドルに達しています。インドネシアは中国との関係を深めながら、米国とも防衛関係を強化する「自由で積極的」な非同盟外交を維持しています。
ソース: Reuters(2026年8月21日)
6.BI総裁候補デストリー氏「中央銀行の独立性を維持」
2026年8月26日
インドネシア中央銀行(BI)の次期総裁候補である
デストリー・ダマヤンティ氏が国会の適格性審査に出席し、政府機関との連携を強化しながらも、中央銀行の独立性は維持すると強調しました。
7月にペリー・ワルジヨ前総裁が任期途中で突然辞任したことで、金融市場ではBIに対する政府の影響力拡大を懸念する声が出ています。
デストリー氏は経済成長と雇用創出を支援しつつ、金融安定を優先する方針を説明。また、資源輸出を監視するDanantara Sumberdaya Indonesia(DSI)など政府機関との連携を強化するとしています。
就任すれば
インドネシア史上初の女性BI総裁となります。
ソース: Reuters(2026年8月26日)
7.ジャカルタで大規模デモ、一部が暴徒化 300人以上を拘束
2026年8月28日
ジャカルタの国会周辺で政府政策や汚職への抗議デモが行われ、終了後に一部参加者が暴徒化しました。
警察施設やバイクへの放火、投石などが発生し、警察は催涙ガスや放水で対応。ジャカルタ警察は
322人を拘束し、45人を容疑者として特定しました。拘束者のうち160人は18歳未満とされています。
騒乱の影響で一部の鉄道・バス路線も一時運休や迂回を余儀なくされました。また、現場から搬送された男性1人の死亡も確認されています。
プラボウォ政権では経済政策や政府支出への批判も強まっており、社会不安が投資家心理に影響する可能性にも注意が必要です。
ソース: Reuters(2026年8月28日)
8.森林火災が急拡大 8月のホットスポット9,000か所超
2026年8月31日
強いエルニーニョによる高温・乾燥を背景に、インドネシアの森林・泥炭火災が急速に拡大しています。
7月だけで
約9万5,000ヘクタールが焼失し、これは2026年前半6か月間の焼失面積のほぼ2倍に相当します。また、8月に確認された火災のホットスポットは
9,000か所を突破し、深刻な森林火災が発生した2015年8月の5,077か所を上回りました。
特にカリマンタン島の泥炭地では地下で火災が長期間続きやすく、政府は航空機による消火や人工降雨を実施しています。
Reutersによると、直近7日間のインドネシア森林火災による炭素排出量は1,710万トンに達し、季節平均を大幅に上回っています。
ソース: Reuters(2026年8月31日)
9.インドネシアとシンガポール、ルピア・シンガポールドルの直接決済を開始
2026年8月31日
インドネシア中央銀行(BI)とシンガポール金融管理局(MAS)は、両国間の取引を
ルピアとシンガポールドルで直接決済できる枠組みの運用を開始しました。
企業などは米ドルを介さずに両国通貨を使用できるため、為替変動リスクや両替コストの削減が期待されます。
シンガポールはインドネシア最大級の貿易・投資パートナーであり、現地通貨決済の拡大は両国間の貿易・投資を支える金融インフラ強化につながります。
ソース: Reuters(2026年8月31日)
10.インドネシア・米国、4,700人超参加の「Super Garuda Shield」開始
2026年8月31日
インドネシアと米国は、多国間合同軍事演習**「Super Garuda Shield 2026」**を開始しました。
演習には両国のほか、日本、韓国、オーストラリア、カナダなどを含む15か国から
4,700人以上が参加。空挺降下、スティンガーミサイル射撃、ジャングル戦、サイバー防衛、海上作戦などを実施します。
2026年4月にインドネシアと米国が新たな防衛協力パートナーシップを締結してから初めての大規模演習となります。
一方、インドネシアは同月に中国とも軍事協力強化で合意しており、米中双方との関係を維持するインドネシアの外交・安全保障戦略が鮮明になっています。
ソース: Reuters(2026年8月31日)