
【インドネシアニュース】2026年(9月1日〜15日)
対象期間:2026年9月1日〜15日
2026年9月前半は、財務相の交代や中央銀行の新体制発足など、経済政策を担う人事に大きな動きがありました。貿易・物価・消費の最新統計から、日本企業に関わる投資案件まで、インドネシア経済の動きを12のニュースでお届けします。
1.財務相交代 財政の信頼性と予算運営が焦点
2026年9月14日
プラボウォ大統領は、プルバヤ・ユディ・サデワ氏に代わり、スアハシル・ナザラ氏を財務相に任命しました。新財務相は、財政の健全性を維持しながら政府の優先事業を支える方針を示しました。財政赤字はGDP比3%未満を目標とし、支出の効率化と引き継ぎの円滑化を重視しています。
注目点:
今後の予算配分や税制・補助金の発表が、企業への具体的な影響を判断する材料になります。
出典:インドネシア内閣官房
2.中央銀行の新総裁にデストリー氏 金融政策の新体制発足
2026年9月2日
インドネシア中央銀行(BI)は、デストリー・ダマヤンティ氏の総裁就任を発表しました。アイダ・S・ブディマン氏が上級副総裁、ソリキン・M・ジュフロ氏が副総裁に就任。9月1日付の大統領決定に基づく任命で、任期は5年間です。
注目点:
新体制のもとで示される金融政策と、ルピアの安定に向けた対応が今後の焦点となります。
3.貿易収支は小幅黒字に復帰 輸入は前年同月比27%増
2026年9月1日発表/対象:7月
7月の貿易収支は約1.2億ドルの黒字となり、6月の約4.5億ドルの赤字から改善しました。輸出は262.2億ドルで前年同月比6.05%増、輸入は260.9億ドルで27.02%増。非石油・ガス部門の31億ドルの黒字を、石油・ガス部門の29.8億ドルの赤字がほぼ相殺しています。
注目点:
石油・ガス部門の赤字が、非石油・ガス部門の黒字をほぼ相殺しています。貿易黒字の拡大には、輸出の伸びに加えてエネルギー輸入の動向が鍵となります。
出典:Bank Indonesia(貿易収支) / BPS(輸出・輸入)
4.8月のインフレ率は3.19% 価格・経費への影響に注目
2026年9月1日発表/対象:8月
中央統計局(BPS)によると、8月の消費者物価上昇率は前年同月比3.19%、前月比0.21%でした。年初からの上昇率は1.86%、コアインフレ率は前年同月比2.92%。州別では北マルク州が5.28%、北カリマンタン州が2.17%と地域差があります。
注目点:
物価の上昇率には地域差があり、事業コストへの影響も進出地域や仕入れ品目によって異なります。全国の動向とあわせて、地域別・品目別の変化にも注目が必要です。
5.製造業PMIは49.8 8月は再び縮小圏に
2026年9月1日報道/対象:8月
S&P Globalの製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.8となり、7月の50.2から低下。拡大・縮小の分岐点である50を下回りました。Bisnis.comによると、生産と雇用の減少が指数を押し下げ、競争の激化、需要の弱さ、価格上昇が企業の重荷になっています。
注目点:
PMIが再び50を下回り、製造業の回復の弱さがうかがえます。今後の受注や雇用の動きが、回復の持続性を見極める材料となります。
出典:Bisnis.com(S&P Global調査に基づく報道)
6.消費者心理は改善 小売売上の回復は緩やか
2026年9月9〜10日発表/対象:8月の心理・小売予測、7月の小売実績
BIの8月の消費者信頼感指数は118.5で、7月の116.8から改善しました。一方、8月の実質小売売上は前年同月比0.5%増、前月比0.1%減との予測です。7月の小売実績は前年同月比1.1%増でした。消費者心理は改善した一方、小売売上は小幅な伸びにとどまる見通しです。
注目点:
消費者心理の改善が、今後の販売回復につながるかが焦点です。8月の小売売上は予測値のため、確定した実績と品目別の動向が注目されます。
出典:Bank Indonesia(消費者調査) / Bank Indonesia(小売販売調査)
7.銀行融資は13.58%増 設備投資向けが拡大
2026年9月7日発表/対象:7月
金融監督庁(OJK)によると、銀行融資残高は前年同月比13.58%増の9,135兆ルピア。設備投資向けは25.13%増、運転資金向けは11.04%増、消費向けは5.38%増でした。中小零細企業向けの伸びは1.62%で、不良債権比率はグロスで2.10%です。
注目点:
設備投資向けが高い伸びを示す一方、中小零細企業向けの増加は限定的です。融資拡大の勢いは、資金の用途や企業の規模によって異なります。
出典:金融監督庁(OJK)
8.外貨準備は1,465億ドル 対外債務は4,548億ドル
2026年9月7日・15日発表/対象:8月末の外貨準備、7月の対外債務
BIによると、8月末の外貨準備は7月末から12億ドル増えて1,465億ドルとなり、輸入5.4か月分に相当します。7月の対外債務は前年同月比4.9%増の4,548億ドル、GDP比30.7%。政府債務は3.2%増、民間債務は1.2%減でした。
注目点:
外貨準備は増加しましたが、対外債務も前年同月から増えています。ルピアの安定性を考えるうえでは、外貨準備と債務の両方の動向が注目されます。
出典:Bank Indonesia(外貨準備) / Bank Indonesia(対外債務)
9.株価指数は8月に反発 年初来では24.53%下落
2026年9月7日発表/対象:8月
OJKによると、8月末のジャカルタ総合指数(IHSG)は6,525.48で、前月末比4.64%上昇しました。ただし年初来では24.53%下落。外国人投資家は8月に1.19兆ルピアを買い越し、1日平均売買代金は15.86兆ルピアでした。
注目点:
8月は反発したものの、年初来の下落を埋めるには至っていません。外国人投資家の買い越しが続くか、相場の回復が持続するかが焦点です。
出典:OJK
10.日本企業向けに32件のインフラ投資案件を紹介
2026年9月3日発表/会合開催:8月27〜28日
経済調整省は、東京で開かれたインフラ・交通分野のビジネスフォーラムの成果を発表しました。国有・地方公営企業9社が32件の投資案件を紹介し、日本側は約36社・機関が参加。道路、住宅・街区開発、鉄道・駅周辺開発、港湾・物流などが対象です。
注目点:
日本企業によるインフラ事業への参画機会が広がる可能性があります。今回の32件は投資候補として紹介された案件で、今後の具体的な協議や契約につながるかが注目されます。
出典:経済調整省
11.カナダとの経済連携協定、実施準備が進む 重要鉱物・エネルギーが焦点
2026年9月15日発表/対話開催:9月14日
アイルランガ経済調整相はトロントで、インドネシア・カナダ包括的経済連携協定(ICA-CEPA)の活用に向けた準備を呼びかけました。経済調整省は両国の批准完了と技術的調整の進行を説明。カナダ側は90%超、インドネシア側は約86%の関税品目で撤廃・引き下げを行う枠組みです。ニッケル・電池材料、クリーンエネルギー、農業・食品などが協力候補に挙がっています。
注目点:
関税の撤廃・引き下げにより、両国間の貿易や投資の拡大が期待されます。適用時期と削減幅は品目によって異なるため、発効日や品目別の条件が今後の注目点です。
出典:経済調整省
12.外国人旅行者の訪問件数は153万件 観光・宿泊需要が改善
2026年9月1日発表/対象:7月
BPSによると、外国人旅行者の訪問件数は約153万件で前年同月比2.95%増、国内旅行は約1億744万件で7.23%増でした。星付きホテルの全国客室稼働率は54.54%で、前年同月を1.75ポイント上回っています。
注目点:
外国人旅行者の訪問と国内旅行がともに増加し、全国のホテル稼働率も前年同月を上回りました。観光・宿泊市場の回復がどの地域に広がっているかが注目されます。
出典:BPS

